【インド】第二波を乗り越え、第三波に向けて

     

皆様、こんにちはインドでジャパニーズヘルプデスクを運営しておりますプレステージ・インターナショナル インディアの山上です。いつも大変お世話になっております。

インドで現地法人を立ち上げ、早4年が過ぎましたが、その半分はコロナ禍の影響がある中で過ごして参りました。私事ではありますが、ロックダウンや日本帰国時の隔離の影響もあり、もう既に1年半以上日本の地を踏めていません。

帰国できないのも辛いですが、このような状況の中でインドに戻ったり一時帰国されたりを繰り返されていらっしゃる方々も多いとのこと、そのご苦労も相当なものだと窺えます。

2020年末から年明けまでは陽性者数も少なく推移しましたが、3月末から始まった第二波の猛威は凄まじく状況は一変、私たちも大変逼迫した中で対応に迫られていました。

 

提携先を含むほとんどの医療機関では、多数の患者受入れにより機能しなくなってしまい

「検査結果が届かない」、「薬がない」、「病床がない」、「医療用酸素がない」

などと、医療崩壊の日々を目の当たりにする現実が続きました。

しかし、幸いにも私たちが対応させていただいた方々(※時間を要したケースはありましたが)へ医療サポートは提供できました。そして、この2か月間の経験は、私たちスタッフの結束を固め、怯まず前に向かう勇気の大切さも教えてくれました。

陽性者への対応の他、帰国のためのPCR検査や陰性証明書の発行の要請も相次ぎ、臨時対応のためのワクチン接種キャンプなども実施させて頂きました。

首都圏エリアのロックダウンを経て新規陽性者が減少しアンロックとなりましたが、第二波の始まりから約2ヶ月、長くも短くも感じられる怒涛の期間でした。

8月現在は地域によって、まだ感染の影響が収まりきっていないものの、全体的には小康状態に入っていると言われています。しかし、多くのインド人医師、医療関係者は、

「第三波は必ずくる。」

と言います。

その言葉を受け、私たちインドにいる日本人はどう対策していくべきか、第二波での経験を踏まえ、今こそ考える必要があるのではないかと感じています。

有効性の高い対策として、まずはワクチン接種が挙げられるかと存じます。インドも5月以降、年齢制限も緩和され、18歳以上は接種可能になっています。

インド政府により本日時点(2021年8月29日)で承認されているのは以下3種類です。

ワクチン名

接種回数

接種間隔

Covishield

2

12〜16週

Covaxin

2

4週間

Sputnik V

2

3週間

いずれもINR1,500程度と比較的安価に接種可能ですが在庫の状態がまちまちであり、時期によって1回目はダメだけど2回目の方は接種可能、というような病院側の回答もあります。

薬品毎の効果についてはっきりとしてはいませんが医学的治験も出ていることから接種する判断も必要かと考えます。保証制度もないことから自己判断にはなってしまうものの、自衛の手段の一つとなり得る材料かと思われます。既に4億本以上(!流石インドな数字)国内で接種が行われたという報道もありました。

私もCovaxinを2回接種しました。接種日に副反応はあり、腕の痛みと38℃近くの発熱もありましたが翌日には治りました。抗体検査をしましたが閾値には届いてなく不安にはなりましたが、「抗体検査の結果から実際に予防効果があるかどうかを推測できない」といった情報もあり、効果があるものだと信じている今日この頃です。

また、忘れていけない基本的な事は、感染対策が一番有効だという認識です。当たり前過ぎて「?」と思われるかもしれませんが、実際に第二波の前は、私が住んでいるエリアではマスクもせずに外出している方々が沢山おり、モールやレストランなども非常に密な状況でした。Withコロナとして対策を取りつつも生活や企業活動を続ける、であれば分かりますが、あたかもfinishedコロナのような状況であり、感染拡大も自明の理と言うべき雰囲気であったかと思います。

今後の第三波襲来云々に関わらず、自分を、家族を、自社従業員を、守る為にも「改めて基本的な感染対策を継続すること」を常日頃から皆様へ訴求して参ります。

第二波の経験で強く再認識したのが「早期発見早期治療」という言葉でした。確かにインドだけでも13万人を超える死亡者が出ている大変怖い病気ではありますが、迅速に適切な治療をすれば治る事も実績が証明しています。感染対策をとる、感染疑いがあれば直ぐに検査をする、陽性であれば症状如何に関わらず直ぐに病院にかかる、単純ですがこれが最良です。

「多分陰性だろう」

「市販の薬で落ち着くだろう」

「入院まではしなくて大丈夫だろう」

個人判断は危険です。直ぐに病院で医師の指示を仰ぐべきだと思います。

私たちが対応した中でも、もっと早くに連絡いただければ軽症で済んだかもしれない案件や、逆に症状がそれほど重くない段階で治療ができた結果、大事に至らずに済んだのでは?と思われる案件もありました。

コロナに限った話ではないですが病気である以上は「早期発見、早期治療」が必要だと強く感じています。

第三波に備えて改めてそういった意識をしていただき、有事の際には直ぐに対処できるよう連絡先や手順を取りまとめておくのが良いかと思います。

私たちジャパニーズヘルプデスクは第三波に備えて提携先医療機関の拡大や迅速な対応ができるようフローの整理、第二波で不足した酸素や薬品の確保なども進めています。

ご存知の通り、過去のパンデミックの歴史として引合いに出されるスペイン風邪の名称で大流行したインフルエンザも終息まで2〜3年はかかり、死亡者も全世界で約5千万人とされています。ウイルスの変異によって致死率が高まった結果、人類とウィルスとの凄まじい戦いが繰り広げられたようです。

そして、今この時代に私たちが出来ることはインフルエンザのように季節風邪として対処できるようになるまで、それを信じて出来得る対策を取りながら自衛を尽くしていく事ではないかと思っています。

しかし、ただただ待つのではなく出来ることを最大限実践し、効果が出たことは継続する。「止まない雨はない」と、そのような考えを持ちながら、私たちはこの感染病との戦いを続けなければなりません。

心配ばかりのこんなご時世ですが警戒すべきことはした上で、それでも毎日笑っていることをモットーに過ごしています。

皆様も安全健康に、良きインドライフをお過ごし下さい!  

 

プレステージ・インターナショナル インディア

山上 拓也

※本ブログは私見及び個人経験から得た情報であり、医学的根拠や内容の証明をすることはございません

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