ミンガラーバー!(こんにちは!)
Japanese Help Desk Myanmarの通訳ニンです。
今日は皆様に、ミャンマーの輸血事情をお伝えしたいと思います。
10月下旬に、ヤンゴンにあるインターナショナル系の私立病院で緊急オペを行う必要がある在留邦人の重症ケースが発生しました。
その際、病院より「血液バンクが無いため、手術時の輸血を患者側で準備して欲しい」との依頼がありました。
ミャンマーでは、国立病院だけが血液バンクを持っています。
国内で一番大きい血液バンクはヤンゴン総合病院敷地内にあるナショナル血液バンクです。
ただし、国立の血液バンクの血は、国立病院に入院している患者さんにしか使えません。
では、私立病院に入院する患者さんに輸血が必要になった場合はどうするのでしょうか?
私立病院の中には、輸血用のストックを保有している病院も少数あるものの、必要時には患者側が人を集めて準備をするのが基本で、それが難しければ病院より献血ボランティア団体を紹介されます。人を集めたのち、病院内にある血液スクリーニングセンターで感染症の有無を確認し、血液が適合するかを調べます。
さて、緊急オペのお話に戻りますが、ヤンゴン日本人会に献血者募集を依頼し、多くの在留邦人の方々に情報の共有・拡散をしていただきました。
コロナ禍の外出規制がある中、また19時を過ぎての呼びかけだったにも関わらず、在留邦人20名強が病院に駆けつけてくださり、おかげさまで無事に手術を終えることができました。皆様本当にありがとうございました。
私はヤンゴン看護大学卒業後、私立病院のICUで看護師として勤務していました。臨床を離れて10年ぐらいになりますが、再び人の生死に関わることになり、患者さんの命を救うためであればどんなに大変でも頑張れるパワーを感じました。
新型コロナウイルスが蔓延する中、平常時のように隣国タイへ医療搬送を行うことは非常に難しい状況です。また、私立病院の受入れのスクリーニングも厳しく、治療の開始が遅れる可能性も十分にあります。
ミャンマーに滞在されている皆様はご自身の体調・持病の管理をしっかり行ってください。また、少しでも体調やご持病に関しての不安のある方は、Japanese Help Desk Myanmarまでご相談ください。