【メキシコ】高山病について

     

こんにちは、今日はメキシコにおいて日本人がよく悩まされる「高山病」について記載しようと思います。高山病(高度障害)とは、高度地における酸素濃度の低下が原因により体の体調が衰える病気です。症状としては、頭痛・吐き気・めまい・ふらつき・食欲不振・倦怠感・睡眠障害などがあり重症例では頭の激痛・嘔吐・運動失調・傾眠傾向・無気力・無頓着・感情変化・失神に陥るときがあります。
日本の平均標高は394メートルでメキシコシティーは2250メートルです、ちなみに富士山は3775メートル、その五合目は2300メートルですので日本からメキシコシティーに来られる方は頻繁に体の不調を感じるのです。
では、我々の体において酸素濃度はどれほど重要でどういった働きに影響をしているのでしょうか。人間の臓器で一番酸素を必要とするのはやはり脳です。脳の酸素消費量は、成人安静時で約3.5 ml/100g/分とされ、全身酸素消費量の約20%に相当します。そしてこの酸素濃度の低下は、脳の働き、運動・呼吸・言語・食欲・感情・睡眠・視界・聴力・思考・その他に影響を及ぼすわけです。人間は通常20.9%の酸素濃度下で生活して酸素濃度が低下すると様々な症状が表れます。およそ18%が安全限界(人体に悪影響が無い濃度限界)と言われてそれを下回ると筋力の低下や意識喪失、最悪(6%以下)では死亡することもあります。
つまり、高山病は酸素欠乏症により起こる疾患なのです。では、どうしたら診断ができるかというと、大部分の場合は医学的知識のある方は症状・問診にて分かり、もし小型のパルスオクシメーターにて血中酸素飽和度を測り95%未満のときはこの病気が疑われます。もしこの計測器が無ければ、症状により酸素補給、低地へ移行して症状が消失すればほぼ間違いが無いでしょう。では、どういった方がメキシコに来るとき注意が必要なのかといいますと、呼吸器疾患・心臓疾患・喘息・貧血・偏頭痛などの既往歴、持病がある方でしょう。
治療法につきましては、まず安静が1番ですが、対症療法として頭痛のあるときは鎮痛剤、吐き気のあるときは抗嘔吐剤、呼吸困難のあるときは酸素吸入、また重症度により利尿剤・ステロイド・非ステロイド抗炎症剤などを使います。
上記に記載した症状があるときやご質問・ご不安なことがありましたら是非ご相談ください。
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ジャパニーズヘルプデスクメキシコ
医師 広沢 忠 (電話番号+52-462-293-0036)
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