【ミャンマー】医療情報9月号

     

Ⅰ. ご挨拶

ミンガラバー!(ミャンマー語でこんにちは!)
いよいよ9月に入り、ミャンマーは少しずつ寒くなってきました。
季節の変わり目は、色々な感染症や病気などが流行ってきますので、皆様もくれぐれもお気をつけてお過ごしください。

 


Ⅱ. 狂犬病について

今の時期、ミャンマーではペットの犬はもちろん、野良犬などがたくさん生まれる時期です。ミャンマーは狂犬病のリスクが高いと言われています。世界で狂犬病による死亡者数は毎年5万5000人ほどで、ミャンマー国内でも1000人〜1200人ほどが亡くなっています。ミャンマーでは首都ヤンゴンも含め、狂犬病は気をつけるべき病気のひとつです。

狂犬病への対策としては犬に噛まれないようにすることが最も大切です。昼間には大人しく道路で寝ている野良犬が夜になると活発化します。野良犬にはそれぞれ縄張りがあるため、その縄張りに入ってしまうと威嚇され噛みつかれる事があります。噛まれないようにするためには夜間はあまり出歩かず、夜間に移動しなければならない場合には自動車やタクシーなどを利用することをお薦めします。夜間に犬の縄張りを歩いて移動しなくてはならない場合には竹棒を持ち歩くことも有効な対策です。噛まれなくとも、爪で引っ掻かかれたりしても、爪に唾液がついていた場合などは狂犬病になる可能性がありますので十分ご注意ください。

狂犬病の症状
発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、疲労感といった風邪のような症状ではじまり、咬まれた部位の痛みや知覚異常を伴います。 興奮や不安状態、錯乱・幻覚、攻撃的状態、水を怖がるなどの脳炎症状をおこし、最終的には昏睡から呼吸停止で死亡します。 発症するとほぼ100%死亡する危険な病気です。

狂犬病予防接種
狂犬病の発症率や重症化を防ぐためには予防接種が有効です。日本からの出発前に狂犬病の予防接種を国産のワクチンで済ませたい場合には合計半年以上かけて3回に分けて接種する必要があります。出発までにあまり時間が無い場合には28日間で3回に分けて接種する輸入ワクチンで予防接種を済ませるのがお薦めです。ミャンマー国内で予防接種を受けたい場合は国内の総合病院へと行き、輸入ワクチンで予防接種する必要があります。

噛まれた際は・・
万が一、噛まれた場合は即座に病院へ行き、接種を行う必要があります。接種の間隔は噛まれる前に予防接種を行なったかどうかで分かれます。世界標準のWHO法では噛まれた即日、3日後 、1週間後、2週間後、1ヶ月後と間隔を分けて接種します。あらかじめ予防接種をしている人は噛まれた即日と3日後に接種をすれば大丈夫だと言われています。

 


Ⅲ. ペットアレルギーについて

狂犬病とは別に、ペットアレルギーも症状によって危険な可能性が十分あります。ペットアレルギーとは、動物の毛、羽毛、ふけ、唾液、糞尿(ふんにょう)などを原因とするアレルギーです。

症状
ネコ、イヌなどの毛、ふけによるアレルギー性鼻炎(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)、結膜炎(目のかゆみ、涙、充血)、気管支ぜんそく(喘鳴〈ぜんめい〉、呼吸困難)、じんましん、アトピー性皮膚炎が頻度の高い症状です。
インコなどの小鳥の糞、尿、羽毛などによる過敏性肺臓炎(乾いたせき、運動時の呼吸困難など)を起こすこともあります。

予防・治療 
アトピー素因のある家庭ではネコ、ハムスターなどを室内で飼育するのを避けるようにします。
動物アレルギーとわかったときは、その動物を手放すことが必要です。
どうしてもネコなどを手放せないときは、毎週必ず動物のからだを洗う、ネズミ類では尿が乾いて飛ばないように処理するとある程度の効果があります。ネズミ類に指をかまれただけでアナフィラキシーを起こすことがあるので、素手で触れるのは危険を伴います。
鼻炎、ぜんそく、結膜炎などに対する薬物治療は、ほかの原因の場合と同様です。動物の成分にからだを慣れさせる「減感作療法」は基本的におこなわれておらず、ハチアレルギーの患者様に対してのみ一部の医療機関でおこなわれております。
過敏性肺臓炎の治療は原因抗原の除去と薬物療法ですが、呼吸困難が強く、入院による抗原との隔離でも改善しないときは、副腎皮質ステロイド薬などによる治療をおこないます。

 


Ⅳ. 日本へ入国・帰国する皆様へ

2022年9月7時の午前0時(日本時間)からワクチン3回目接種済みであることの証明書を保持している場合は、出国前72時間以内の検査証明の提出が不要になりました。


引用元:水際対策|厚生労働省|日本政府 (mhlw.go.jp)
※ミャンマーは青区分に入っています。

 

 

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