【インドネシア】労働法の改正法案によるデモと医療の関係

     

先月に引き続きインドネシアコロナ感染者は指数関数的に増加しています。
インドネシア総人口2億6千万人うち0.001%にあたる感染者数26万人は9月24日時点で突破しました。
ジャカルタ特別州では感染者数の増加を食い止めることができず、9月14日より、社会規制が再度強化されました。
人間誰しも「状況は未来に向かって良い方向に進む」と考えたいものですが、まさかの事態悪化。
これは在留邦人にとっても大変気落ちしました。

そんな折、コロナのニュースに紛れるようにして10月5日に労働法の改正法案が可決されました。
もともとインドネシアには2003年新労働法といわれる労働者に有利な労働法規があり、いわば企業活動の妨げにもなっていました。
しかし、このコロナ禍による企業活動助成という名目もあり、残業時間や年休取得日数など企業に有利な法案が可決されました。
その法案に反対するデモが予定されたため、その前にさくっと可決されたことによる反発も加わり
10月8日はジャカルタ中心地でデモ隊が暴徒化し、バス停など十数か所焼き討ちにあう事態となりました。
インドネシアは今まで半年以上も長引くコロナの社会規制に我慢を重ねてきましたが、その不満がデモという形で爆発してしまったのでしょうか。
暴徒と言っても主に青少年で、デモ開催地にはバスやアンコット(5-6人乗りミニバス)をチャーターし、
さらにお御輿よろしくバスの屋根に上がって気炎を上げます。これはサッカーの試合日などでも同じ光景が見られます。
さすがにバスの屋根の上なので密閉はないものの、密集し密接し、大声で歌ったり怒鳴ったり。
これでデモ参加者中心にコロナ感染拡大するのは目に見えています。

デモと医療と関係のないようでいて、それなりに影響があります。
受診を終えた際、お迎えに来るはずの社用車がデモによる渋滞で遅れてきました。
局所的な大渋滞を恐れて受診を延期した方もいます。
幸い、私共JHDインドネシアはひとつの医療機関に限定することなく、
患者様の居住地域や症状から適切な医療機関をご案内することができますが、
デモによる渋滞や交通規制の確認、病院側の診療時間変更などの確認に追われました。

私達インドネシア在留邦人は、社有車を利用することが多いのですが、
反面、公共交通機関を利用して好きな場所に行くことが難しい状況にあります。
近年、地下鉄開通やタクシー配車アプリによりだいぶ便利になり、
またコロナの社会規制も手伝って酷い渋滞がだいぶ緩和されましたが、
日本国内のように安全かつ自由に時間通りには移動できません。
医療もさることながら、安全面での危機管理こそ大切です。

10月12日からコロナのよる社会規制が一部緩和されたものの、
インドネシアはフィリピンを抜いてアセアン1のコロナ感染者数となっています。
10月19日現在のインドネシア感染者数36万5240人。昨日からの感染者増加数は3373人、治癒した患者数も3919人ですが
依然として6万3380人ものインドネシア人(日本人も若干名含まれています)が闘病中です。

とまあ、気の滅入る話題ばかりの中、在留邦人同士で、中秋の名月を愛でたり、美味しいコーヒー豆の情報交換したり。
ご自宅庭に咲いたドラゴンフルーツの花を写メしてくださった方も。満月に負けない圧巻の美しさでした。
在インドネシア邦人、一丸となってコロナ禍を乗り切っていきます。

ご心配な事柄がありましたらどうぞご相談ください。
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ジャパニーズヘルプデスクインドネシア
日本渡航医学会認定医療職看護師
久津沢りか・携帯電話番号0813-8326-1466
(通話中などで繋がらない場合はSMS,WAくださいましたら助かります。)
メールアドレス;jkt@j-helpdesk.com
日本語対応スタッフ;Yuli看護師0811-9008-826/Beta看護師0811-9008-836

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